海外でプロダンサーとして活動した千鶴先生のお話
アシスタントの千鶴先生は海外でプロのダンサーとして活躍されました。
その千鶴先生にお話を伺います。
〜鍵千鶴先生にインタビュー!〜
Q.1
何年間、どこの国、団でプロのダンサーとして活動されましたか?
A.1
- ドイツ、ハレ
Oper Halle(ハレ歌劇団)
研修生として、くるみ割り人形と白鳥の湖に出演、
期間: 3ヶ月
- エクアドル、キト
Ballet Nacional Ecuador (エクアドル国立バレエ団)
期間:2年半
- チリ、サンティアゴ
Ballet de Santiago(チリ国立バレエ団)
期間:2年半
Q.2
一週間のスケジュールを教えてください
A.2
<普段,月曜日から金曜日>
- 10時から11時半までクラスレッスン
- 休憩
- 作品の配役ごとにリハーサル(バレエ団によってスタジオの数が違いますが、スタジオ分かれてのリハーサル)
- 昼休憩(1時間)
- リハーサル
<舞台が1日2回ある場合>
- 朝レッスン
- リハーサル(日に寄って配役が変わるので、立ち位置など調整の為のリハーサル)
- 舞台(だいたい14時)
- 休憩
- 舞台(だいたい19時)
シーズン中はこのスケジュールを2週間。日曜日は舞台ありません。
エクアドルはバレエを広める目的のために学校に踊りに行く事が多かったです。
チリでは1年間で何の作品を踊るか発表されます。(6作品固定で、間にツアーが入っていました。1作品を2ヶ月かけて仕上げる)
*リハーサルの間にも15分休憩あります。
*配役によっては、その日リハーサルがなかったりするので、その日はクラスレッスンだけとなります。
*舞台が近い場合、スケジュールが変わって、日曜日や夜遅くまでリハーサルがあります。
Q.3
プロのダンサーとして難しかったこと、苦労したことは?
A.3
- 言葉の壁(初めの1年間はまともに誰とも話していません、バレエのパの名前は世界共通なので、なんとかなっていました。)
- 文化の違い(慣れるのは早かったですが、根本から違う事が多く驚くことも多々ありました。ただ、私は自分には南米は合っていたなと思っています)
- 男性とのパートナリング(学生時代あまり機会がありませんでした)
- プロポーション(それが理由で配役を外された事があります)
- 表現の仕方(明るいキャラクターや妖精は日本でも経験がありましたので、問題ありませんでしたが、大人のセクシーな役、例えばカルメンのような役柄をいただいた時に表現の仕方が分からずに振付家が頭を抱えて配役を外されそうになった事があります。南米に限らず海外の方はそういう表現が自然とできる方が多かったです)
- 負傷(骨折、肉離れにより、ソロをいただいてましたが、泣く泣く舞台出演を諦めたことがあります。捻挫は痛み止めを注射して舞台出ました)
- 何をするのも自己責任。
レッスン受けて舞台でちゃんと踊れていたら、後は自由。ある意味、楽な方に進みやすいです。よほど親切な人でない限り、注意はしてくれません。なので、気づかない内に体重が増加したり、下手になっていたり、素行が悪かったり、という同僚が何人か、いきなり事務所呼び出し、解雇されていました。気づかない内に、というのが1番怖い事だと思って、気をつけていました。
Q.4
海外で踊ろうと思った理由を聞かせてください
A.4
3歳の時に習い始めてからずっとバレリーナに対する憧れがありましたが、小学4年生の時にバレリーナになりたいという明確な意志を持ちました。
目指すなら、プロのダンサー、自分の踊りだけでお金をいただいて生活をすると決めて、日本では踊りだけで生活は難しい、と当時は思っていたので、海外を目指そうと考えました。
Q.5
海外のバレエ団に入りたい人へメッセージ
(マユスタのみんなに向けて)
A.5
バレエは、観る人の好みや価値観によって違うし、ましてや海外での生活は想像がつきにくいので、なかなか先が見えにくく、沢山迷うこともあるかと思います。
でも、迷う暇があったら、考えてる暇があったら、とにかく練習、自分のバレエを突き詰めていくといいと思います。
振付覚えるのが早い、ジャンプ力、回転、音楽性、なんでもいいんです。何か1つ、これは誰にも負けない、自信がある、というのを自分の武器として持ってることをオススメします。
これから先、学校やバレエ団のオーディションを受ける時に誰かがきっと気に入ってくれて、入学、入団のチャンスに繋がります。
何か1つでも自分の武器を作ろうと思ったら、練習あるのみです。
そして、オーディションではそういう武器を2、3つ持った人達が集まります。
厳しい世界とよく言われますが、自分との戦いです。大事なのは、目標を見失わない、諦めない、です。
慣れている環境から一歩踏み出すのは勇気が入ります。そんな時に自分に言い聞かせていた言葉は、やらない後悔よりやる後悔。あの時ああしてれば良かったなと思いたくない、と思って突き進んでました。
何事も挑戦、そして踏み出してみたら、後はなんとかなります。(何回か経験しました。本当になんとかなります。)だから、見えない先のことはあまり不安に思わずに、もし本気でダンサーを目指しているのであれば、オーディションで落ちたとしても、コンクールで良い結果出せなくても、挫けずに私はダンサーになるんだ!と強く心に思って練習を続けてください。続けることも立派な1つの自分の武器です。
Q.6
なぜマユスタを選んでくれましたか?
A.6
帰国した時に、バレエとはしばらく距離を変えて過ごしたくて、今までバレエしかしていなかったから、せっかくなら今までしたことがないことに挑戦してみたいと考えました。
ただ、バレエは好きだから週1回でも続けたいと思い、紹介していただいたマユスタに所属、発表会も出演させていただきました。
レッスン、リハーサルを通して大人のオープンの方々、そしてキッズ、ジュニア、シニアクラスのみんなの真剣にバレエに取り組んでいる姿を見て、私ももう一度、バレエとちゃんと向き合おうと決めました。今までコツコツ積み重ねてきた自分のバレエの行く末を見たい、と。
こう思えるようになったのは、真由先生や伸二先生、マユスタのみんなのおかげです。
ですので、マユスタのアシスタントのお話をいただいた時、嬉しかったです。
未熟者でまだ学びの途中の私ですが、まっすぐバレエと自分と向き合っている皆様をサポートしていきたいと思っています。
鍵千鶴
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千鶴先生ありがとうございました。
これからもどうぞよろしくお願いします!
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